請求管理代行の選び方

請求管理代行サービスの利用を検討するにあたって、どこにアウトソースすれば最良なのか、何を選択の判断基準とすべきなのか、選び方のポイントをご案内します。請求管理代行サービスの利用を検討するにあたって、数ある専門家のなかから、どこにアウトソースすればいいのかわからない、どうやって選べばいいのかわからない、と悩む場合もあるのではないでしょうか。以下では、アウトソースする専門家を選ぶ際のポイントをご案内します。

  1. 貴社の現状を整理・認識する
  2. 料金の特徴を確認する
  3. サービスの範囲を確認する
  4. 業務のスピードを確認する

① 貴社の現状を整理・認識する

請求管理代行サービスの利用を検討するにあたり、その第一歩として、貴社の現状を整理・認識する必要があります。ひとことで、請求管理業務といっても、与信審査、請求書発行、入金管理、督促、代金回収など、その内容は細かく、性格が異なるいくつもの業務が重なって連続しています。請求管理代行業務をアウトソースする専門家を選択する場合、これらの連続する業務のうち、社内の工数が多い業務はどの業務なのか、どの業務をアウトソースすれば従業員の負担やコストが軽減され、どの業務をしないことで社内に蓄積すべきノウハウが流出しないのかなど、貴社の現状を整理・認識してから、請求管理代行業務をアウトソースする専門家を選定しましょう。

② 料金の特徴を確認する

請求管理代行サービスの利用で発生する主な料金は以下のとおりです。

・初期費用
・手数料
・毎月の固定費

アウトソースしようとする専門家によって、料金体系は大きく異なり、サービスを提供する専門家ごとに特徴があります。なかには、「毎月+保証料」のように、データの保証料などが請求される場合もあります。貴社が求めるサービスに対して、毎月、毎年、随時に発生する料金を、具体的な提案書として見積もってもらい、安ければ良いという判断のみならず、サービスの費用対効果が最適となるよう、複数の提案書を比較して選択しましょう。

③ サービスの範囲を確認する

請求管理業務といっても、その内容は細かく、性格が異なるいくつもの業務が重なって連続しています。そのため、請求管理代行サービスの内容も、これを提供する専門家ごとに大きく異なります。貴社の現状やニーズに照らし、どのようなサービスが必要なのかを明らかにしたうえで、貴社のニーズにマッチするサービスを選択しましょう。

④ 業務のスピードを確認する

請求管理業務は、スピードが求められる業務です。商品やサービスのやり取りを受けて、所定の時期に遅滞なく、売上請求や入金確認を行わないと、得意先とのトラブルになるリスクがあります。また、企業にとっても、商品やサービスを提供したあと、できる限り早く入金されたほうが、資金繰りが安定しますし、入金遅延や貸倒のリスクからも解放されます。請求管理業務の正確性は当然として、サービスとして提供される業務のスピードが、そもそも貴社の求めにマッチするのかも十分に考慮しましょう。

請求管理代行の料金相場

請求管理代行サービスの料金相場についてご案内します。結論としては、請求管理業務といっても、与信審査、請求書発行、入金管理、督促、代金回収など、その内容は細かく、性格が異なるいくつもの業務が重なって連続していることからも、サービスの範囲とともに料金体系にも専門家ごとの特徴があり、また顕著な違いが見られることから、一般的な相場をご案内することが妥当ではありません。しかし、どのような考え方で料金が決定されるのか、を大別してご案内することができます。主に次の3つのパターンを、料金決定の考え方としてご案内します。

  1. 毎月の料金が固定であるパターン
  2. 契約期間の長さによってひと月の料金が変わるパターン
  3. 従量課金(業務課金)

① 毎月の料金が固定であるパターン(業務を特定して時間を見積もるパターン)

契約で定めた業務の料金として、毎月決まった料金を支払う方式です。契約で定めた固定業務以外の臨時業務をアウトソースしようとする場合、契約に定められた臨時業務としてのオプション料金が必要となることが多く見られます。

月額固定料金パターンのメリットには、臨時業務がなければ、貴社にとって必要となるコストが見通しやすい点があげられます。月額固定料金パターンの場合、アウトソースする固定業務に対して、その専門家が投下すべき時間を想定し、この想定投下時間に対して、時間あたり単価3,000円から5,000円を乗じることで、月額固定となる料金を決定することが多いといえます。もちろん、固定業務のボリュームに増減があれば、固定業務の範囲を変更し、月額固定料金も見直すための再契約が行われることが一般的です。

なお、時間あたり単価を、従業員に対する時給に置き換え、そもそも単価3,000円から5,000円が高いとお感じになられるかもしれません。しかし、専門家の単価は、従業員の時給とは大きく異なります。専門家の単価には、社会保険や労働保険、通勤手当や賞与などのコストも、残業や有給という概念もありません。さらには、退職や採用・教育というリスクやコストもないのが専門家の単価です。また、特定の業務を、社内の従業員が対応した場合の時間数と、アウトソースした先の専門家が対応した場合の時間数とでは、後者が少ない時間で済むことがほとんどです。よって、料金が単価と時間の掛け算で決まることから、専門家の単価と従業員の時給とを単純比較しないこと、専門家へのアウトソースによって削減される時間数を考慮することが、請求管理代行サービスを利用すべきかの判断において重要なポイントとなります。

俯瞰すると、アウトソースしようとする業務のボリュームに一定する傾向がみられる場合、このパターンが採用されることが多いといえます。

② 稼働時間の長さによってひと月の料金が変わるパターン(まずは時間を決めるパターン)

月あたり30時間まで、月あたり15日までなど、月あたりの稼働時間にいくつかのパターンがあり、このなかから、必要なパターンを選んで、請求管理業務をアウトソースする方式です。もちろん、月あたりの稼働時間が長くなるほど、料金は高くなる傾向にあります。

アウトソースすべき業務範囲の明確化が困難であることから、まずは請求管理代行サービスの利用をスモールスタートしてみようという場合には、時間と料金とが最小となるパターンを選択します。その後、アウトソースのメリットが実感できれば、時間と料金を増える別のパターンへと契約を変更することもできます。アウトソースにより業務の進め方が変わる影響を最小にしつつ、とはいえ、お試しで実装できることが、このパターンのメリットです。

しかし、当初の想定どおりに、アウトソースした業務が時間内に完了しなければ、そこで残った業務は、社内で対応し完結する必要があります。少しでも社内工数や負荷を軽減したい場合には有効ですが、社内外のリソースをハイブリッドで用いる業務推進ともなることから、アウトソースにより得られる効果の最大化・最適化には至らないという問題もあります。

③ 従量課金(都度、個々にアウトソースする業務を決めるパターン)

請求書類1枚150円など、特定の業務ごとに料金が設定されており、どれを選択して利用するのかによって料金が変動する方式です。メリットは、業務量に応じて料金が発生・確定することから、無駄のないサービス利用を狙うことができることです。デメリットは、業務をアウトソースしなければ料金は発生しないことからサービスの利用が社内で十分に進まない、つまり料金がかかるから、これぐらいは社内で対応というバイアスが働きかねないことです。

一方で、積極的にアウトソースを利用するというスタンスにアクセルを踏み過ぎると、想定外に料金が高額になることもあり得ることからコストが読みづらいなど、痛しかゆしの問題があります。どの場合にどれだけのサービスを利用すべきかを、貴社の請求管理業務を熟知し、都度に意思決定できる従業員が社内にいない場合には、過少依頼や過大依頼にならないようバランスを維持することが容易ではありません。

選び方のポイント

請求管理代行サービスの利用にあたり、アウトソースしようとする専門家の選び方の基本をご案内しました。では実際に、アウトソースしようとする専門家のどこを見て選択すべきかのポイントをご案内します。

① 料金体系を個別・具体的に確認する

諸々の追加契約を結んだところ高くついた、一番安いサービスを選んだところ求めていたサービスが受けられなかったなど、ということならば、残念ながら本末転倒です。

アウトソースしようとする専門家のWebサイトでは、最低価格やサービス内容の概要のみが示されることが一般的です。あとあと、高額な月額基本料金やオプション料金を請求され、当初の想定とは異なるコストパフォーマンスに陥らないように注意したいところです。そのため事前に、アウトソースしようとする専門家から、個別・具体的なサービスと料金体系の明示を受け、万一これらの輪郭がぼやけるような場合には、そうならない専門家を再検索・再選定するというトライアンドエラーを重ねることが効果的です。

② 運営元を確認する

請求管理代行サービスの提供に資格や許認可は不要です。しかし、請求管理業務が重要な業務であるがゆえに、安心してアウトソースできる専門家を求めたいところです。そうなると、経理に専門的な知見やノウハウがある税理士が在籍する組織を選択することが望ましい場合もあり、運営元が税理士法人であればなおよい、とも考えられます。

請求管理業務も経理で行う業務のひとつに違いありません。一連の経理全般をアウトソースするならば、同じ専門家にアウトソースすれば、利便性も効率性が高まることが一般的ではないでしょうか。そのため、まずはサービスの運営元が税理士法人であるのかを確認することも効果的です。

③ 守秘義務契約を確認する

契約書に示される守秘義務は極めて重要です。請求管理業務で取り扱う情報は、貴社にとっても機密情報にあたり、また得意先にも関連する情報であることから、守秘義務が徹底されるべき情報であるといえます。税理士や税理士法人には法令で守秘義務の定めがありますが、無資格である民間業者などには守秘義務ついての法令がありません。あとあとトラブルにならないよう、少なくとも契約にあたっては、守秘義務の定めを確認しましょう。

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