そもそも年末調整代行とは

年末調整代行サービスの利用について、メリットとデメリットをご案内します。そもそも、年末調整代行サービスとは、年末年始の繁忙期に負担となる年末調整の一連業務を、完全にアウトソースできるサービスです。業務の平準化にお役立ていただけます。

 

社内で年末調整業務を担っているのは、経営者やその身内、経理担当者であることがほとんどであり、税理士や税理士法人にアウトソースされている場合も多く見られます。社内で年末調整業務を担当される方々はお分かりかと思いますが、年末調整の一連業務では、従業員も巻き込んでの多くの対応が求められ、これが年末年始の大きな業務の負担になりがちです。また、年末調整業務には、専門的な知識が不可欠であり、これが不十分であると、ミスがミスを呼ぶことにもなりかねません。

年末調整代行サービスを利用されると、年末年始の一時的かつ大きな業務の負担が軽減できます。それでは、年末調整代行サービスにどのようなメリットやデメリットがあるのかを次でご案内します。

年末調整代行のメリット

年末調整代行サービスの利用に期待できるメリットは、主に次のとおりです。

  1. 繁忙期の煩雑な業務を省き、業務が平準化できる
  2. 法改正にも対応した正確な業務が期待できる
  3. 経理担当者の残業時間や割増賃金を軽減し、過度な負担による退職リスクも緩和できる

① 繁忙期の煩雑な業務を省き、業務が平準化できる

ただでさえ忙しい年末年始の時期に、社内で年末調整業務に対応しようとすると、一時的であるとはいえ、業務の負担が急増します。業務の負担が急増すると、それが重大なミスにつながることもあり得ます。もちろん、年末調整業務でミスの発生確率が高まることだけではなく、通常の経理業務においても、ミスのリスクは波及します。

年末調整代行サービスを利用されることで、一時的な業務負担の急増を回避し、業務を平準化することができ、ミスの発生原因を除去できます。

② 法改正にも対応した正確な業務が期待できる

常態的な法改正などを背景に、年末調整のルール改正は毎年の恒例行事ともなっています。このようなルール改正を正確にキャッチアップしても、法改正が頻繁であることから、それが来年以降も継続して有効な知識やノウハウとなるとは言い切れません。とはいえ、ルール改正の正確なキャッチアップなくして、正確な業務の結果を得ることができません。

これに対して、年末調整業務のアウトソース先では、数多くの企業の年末調整業務に専業しており、法改正をキャッチアップして、正確かつ効率的に年末調整業務に対応できます。年末調整代行サービスのメリットは、煩雑な業務のお手間やご負担を削減することに留まらず、ルール改正を漏らすことなく、正確に年末調整業務を完了できる点にもあります。

③ 経理担当者の残業時間や割増賃金を軽減し、過度な負担による退職リスクも緩和できる

年末年始という、とくに限られた時間のなかで、年末調整業務という一時的に大きな負担となる社内業務が発生すると、自ずと、経理担当者の勤務時間も比例して増加します。それは、多くの残業につながり、割増率が高い深夜や休日におよぶこともあります。もちろん、長時間労働は、残業時間や残業代の増加という目に見えるコストに限らず、退職リスクを高めるひとつの原因ともなります。年末調整代行サービスの利用によって、このようなコストやリスクの軽減効果も期待できます。

年末調整代行のデメリット

年末調整代行サービスにはメリットばかりではなくデメリットもあります。

① 社内にノウハウが蓄積できない

年末調整業務に限ったことではありませんが、何らかの業務をアウトソースすると、その業務のノウハウは社内に蓄積できません。

とはいえ、年末調整業務のノウハウをそもそも社内に蓄積すべきか、また、社内の経理担当者にノウハウが蓄積しても、その経理担当者が退職すれば社内にノウハウが蓄積されないのではないかと考えると、社内にノウハウが蓄積されないことは大きなデメリットにならないともいえます。とくに、一時的な業務であり、ルール改正の多い業務であるという業務の特性を踏まえれば、年末調整業務のノウハウを社内にノウハウとして蓄積することに、そうメリットは大きくないともいえます。

② アウトソースすべき専門家を見つけるのに労力や時間がかかる

年末調整業務で取り扱う情報が、従業員の個人情報やプライバシーに関する情報でもあり、年末調整業務をアウトソースする先が、どの専門家であっても良いとは、もちろんいえません。アウトソースのための料金がリーズナブルであることも重要ですが、アウトソースしようとする専門家に情報漏洩のリスクがないかの確認も重要です。

そもそも、年末調整業務では他人の税金を計算する業務であることから、社内で年末調整業務を行う場合を除き、本来は、税理士や税理士法人が対応すべき業務です。税理士や税理士法人であれば、法律に守秘義務の定めがあります。情報漏洩リスクという点からも、年末調整が税務業務である点からも、税理士や税理士法人へのアウトソースが現実的であるといえます。

年末調整代行の選び方の注意点

ここまで、年末調整代行サービスのメリットとデメリットをご案内しました。ここからは、年末調整代行サービスをアウトソースする専門家を選ぶ場合に注意すべきポイントをご案内します。

① 価格設定・サービス内容を確認する

諸々の追加契約を結んだ結果、高くついた、一番安いサービスを選んだところ、求めていたサービスが受けられなかったなど、ということならば、残念ながら本末転倒です。

アウトソースしようとする専門家のWebサイト上では、最低価格やサービス内容の概要のみが示されていることが一般的です。あとあと、高額な月額基本料金やオプション料金を請求され、当初の想定とは異なるパフォーマンスに陥らないように注意したいところです。そのため事前に、アウトソースしようとする専門家から、個別・具体的なサービスと料金体系の明示を受け、万一これらの輪郭がぼやけるような場合には、そうならない専門家を再検索・再選定するというトライアンドエラーを重ねることが効果的です。

② 運営元を確認する

年末調整が他人の税金を計算する業務であることから、社内で年末調整業務に対応する場合を除き、本来は、税理士や税理士法人が行うべき業務です。社会保険労務士が給与計算代行サービスに関連する業務として、年末調整代行サービスをすることにも問題があります。のちの税務調査で年末調整のプロセスや結果についての質疑や指摘を受けたとしても、税理士や税理士法人ではないものが、税務調査に立ち会うことも、これを貴社に代わって説明することもできません。

給与計算代行サービスと年末調整代行サービスの両方のサービスを利用される場合、そのアウトソースしようとする専門家に、税理士と社会保険労務士とが存在するのか、ワンストップで対応できる専門家を選択されることがおすすめです。

③ 守秘義務契約を確認する

「守秘義務」がどのように契約書で表現されているか、は極めて重要です。年末調整業務では、従業員個々の収入状況や評価だけではなく、扶養家族の人数や続柄、収入を知る必要があります。税理士や社会保険労務士には、守秘義務に関して法律で定めがあります。一方で、無資格である民間業者には守秘義務に関して法律の定めはありません。あとあとのトラブルにならないためにも、契約される前に、個人情報などの取扱いや守秘義務の定めを確認しましょう。

他方、税理士や税理士法人ではない専門家に、本来は税理士や税理士法人しかできない年末調整業務をアウトソースすることの問題は、税務調査をはじめ、あとあとのトラブルを避ける目的やコンプライアンスの点からも、しっかりと認識する必要があります。

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