そもそも振込管理代行とは
振込管理代行サービスの利用を検討するにあたり、振込管理代行サービスのメリットやデメリットは整理できていますか。あとあとデメリットを知ることになったのでは遅いかもしれません。以下では、メリットとデメリットとともに、振込管理代行サービスをアウトソースする専門家の選び方と注意点についてご案内します。
振込管理代行サービスを利用することで、支払先に対する振込業務(=振込管理)をアウトソースできます。企業で振込業務を担っているのは、①経営者やその身内、②経理担当者がほとんどです。
振込管理業務について、次のようなお悩みはないでしょうか。
- そもそも、定期的に銀行に行くことが手間であり、時間がもったいない
- 振込の期日管理があいまいであり、支払トラブルが怖い
- 支払予定表などがなく、資金繰りの管理が不十分であり、将来の資金が見通せない
このような課題を解決するサービスが振込管理代行サービスです。では、振込管理代行サービスには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。以下でご案内します。
振込管理代行のメリット
振込管理代行サービスに期待できるメリットは、主に次の3つです。
- 時間の有効化
- 正確性の向上
- 間接部門の劇的なコストダウン
① 時間の有効化
支払請求書を整理したり、銀行に振込に行ったりすることは、貴社にとって大切な業務ではあるものの、このことが売上アップに直結するとはいえません。売上アップの最短距離は、本業に専念することであって、本業に対してどれだけ多くの時間と労力を集中できるのかが、売上アップの成否を分けます。
振込管理代行サービスを利用することで、これらの手続に奪われていた時間を取り戻すことができ、取り戻した時間を、売上アップのための時間として有効に活用できます。繰り返しますが、このサービス利用後は、請求データのご共有、整理された一覧のご確認、振込確定のボタンを押していただくだけとなります。それ以外の業務をアウトソースすることで、大幅な時間の有効化が期待できます。
② 正確性の向上
振込管理代行サービスを利用することで、ミスの削減が期待できます。アウトソースする先は、当然の如く専門家です。多くの企業から振込管理代行サービスを請ける立場から、効率性とともに正確性の知見とノウハウをもっています。
支払遅延を含む振込ミスは、貴社の支払先からの信用を低下させることもあり得ます。また、ミス復旧という生産性がない対応は、社内の疲労や疲弊につながります。このようなリスクを回避する点からも、振込管理代行サービスは有効な手段となり得ます。
③ 間接部門の劇的なコストダウン
まずは、支払請求書を受領してから、すべての決済手続が完了するまでの社内の総投下時間を、月単位で集計してみましょう。断続的な対応が多いことから、そう多くの時間はかかっていないと誤認される傾向がありますが、実際に集計してみると想定よりも多いことに驚かれることもあります。
アウトソースという言葉から、コストが心配になるとも考えます。しかし、社内の投下時間だからといって、もちろん無償とはなりません。実際に集計した総投下時間は何時間でしょうか、また、これを人件費として計算すると、それはいくらになるでしょうか。ここで計算した人件費とアウトソースする場合のコストを、まずは比較しましょう。
さらに、アウトソースにより取り戻した時間を、売上アップにつながる優先度の高い業務に充てることで、人件費の時間あたりコストパフォーマンスが高まります。人材採用難が一般化するなか、最低賃金の上昇も続いています。なかには、売上アップに直結しない間接部門の人件費がコストとして気になる場合もあるのではないでしょうか。
振込管理代行サービスの利用で、人件費よりも、人件費に代替するアウトソースのためのコストが安くなる場合が多く、かつ、人件費を投下する業務を変えることでコストパフォーマンスが高まるというメリットも期待できます。
振込管理代行のデメリット
振込管理代行サービスにもデメリットはあります。ここでは次の2つをご案内します。
① アウトソースのためのコストが継続して発生する
振込管理代行サービスを利用される場合、初期導入費用や取引ごとの継続的な料金が発生します。
サービス利用の検討にあたって、まずは、振込管理業務を、社内で継続して対応する場合の人件費などのコスト、さらには社内で対応する場合に発生し続ける機会損失(売上アップのための時間が確保できないなど)を、具体的に集計しましょう。ここで集計した結果であるコストや損失を、アウトソースのためのコストと比較します。この比較により、振込管理代行サービスのコストパフォーマンスを事前に整理できます。この結果をもとに、アウトソースのためのコストが、本当にデメリットであるのかが明らかとなり、むしろデメリットではなくメリットになる、と感じられる場合もあります。
② 社内にノウハウが蓄積できない
振込管理代行サービスの利用によって、時間の有効化、正確性の向上、間接部門の劇的なコストダウンなどの効果が期待できます。一方で、アウトソースした業務のノウハウは、社内に蓄積されません。このことは、振込管理業務に限らず、アウトソースする業務のすべてに共通するデメリットでもあります。
とはいえ、振込管理業務を社内で行っていた場合、それを担当する従業員が退職し、そこに十分な引継ぎがない場合や、退職した従業員に属人的なノウハウがある場合にも、従業員が退職したあとに、社内に残るノウハウはありません。他方、振込管理業務をアウトソースすればノウハウが社内に蓄積されないものの、それをアウトソースする専門家には、退職というリスクはありません。仮に、社内にノウハウは蓄積されるべき、とお考えであれば、アウトソースする業務の範囲を限定することも有効な対策であるといえます。
ここまで振込管理代行サービスのデメリットと、それを整理・軽減する対策をご案内しました。振込管理代行サービスにデメリットがあるとはいえ、それを上回るメリットが期待できます。経理担当者が退職するリスクから解放され、業務の効率化や正確性の向上、コスト削減が期待できるならば、振込管理代行サービスの利用に検討の余地があるといえます。
振込管理代行の選び方の注意点
振込管理代行サービスをアウトソースする専門家を選択する場合の注意点をご案内します。
① サービス内容を詳しく知る
振込管理代行サービスをアウトソースする専門家によって、その専門家から提供されるサービスの範囲や料金体系は大きく異なります。例えば、振込管理代行サービスと一括りにする専門家もいれば、支払データの作成代行や実際の振込代行などと、業務レベルを細分化する専門家もいます。また、そのサービスの種類に応じて料金体系も異なります。
多くの場合、その専門家のホームページでサービスの内容や料金体系の概要が示されています。まずは個別に問い合わせ、その専門家から提供されるサービスの内容と料金体系の具体的な提案を受けることをおすすめします。判断に後悔がないよう、貴社の現状を整理・認識したうえで、アウトソースすべき業務に対して、個別具体的な提案を受けましょう。
② 対応する金融機関の範囲
振込管理代行サービスでカバーされる銀行や金融機関の範囲を確認します。貴社が利用している銀行などに対応しているかを確認しましょう。
まずは、振込管理業務を、社内で継続して対応する場合の人件費などのコスト、さらには社内で対応する場合に発生し続ける機会損失(売上アップのための時間が確保できないなど)を、具体的に集計しましょう。ここで集計した結果であるコストや損失を、アウトソースのためのコスト(料金)と比較するプロセスを出発点に、貴社の振込管理業務を漏れなくカバーできる専門家、そしてコストパフォーマンスが期待できる専門家を選択しましょう。
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