「今の顧問税理士の意見に不安がある」「もっと節税できる方法があるのでは?」そう感じたとき、あなたはどこに相談しますか?実は、現在の顧問税理士とは別に、「税務セカンドオピニオン」を求めるという選択肢があります。セカンドオピニオンは、単に税金の計算が正しいかを確認するだけでなく、企業の将来を左右する重要な経営判断をサポートする役割も果たします。
この記事では、税務セカンドオピニオンの基礎知識から、メリット、具体的な活用事例、そして依頼する際のポイントまで、網羅的に解説します。
【監修:税理士中小企業診断士 前田 直樹】
目次
1. 【まず知っておきたい】税務セカンドオピニオンとは?
1-1. 顧問税理士とセカンドオピニオンの違い
顧問税理士は、日々の経理業務や月次・年次の決算業務、そして税務申告を継続的にサポートするパートナーです。一方、セカンドオピニオンは、特定の税務課題や疑問点に対して、第三者の専門家から客観的な意見やアドバイスを求めるものです。
税務セカンドオピニオンは、顧問税理士を変更する必要はありません。現在の顧問税理士との関係を維持したまま、別の視点を取り入れることができます。これにより、企業は特定の専門家からの意見だけでなく、複数の視点から最善の選択を検討できます。
1-2. 税務セカンドオピニオンの主な目的
税務セカンドオピニオンの目的は多岐にわたりますが、最終的には「企業の成長と経営の安定」に貢献することです。具体的な目的としては、以下の点が挙げられます。
- 税務リスクの回避: 申告内容に間違いがないか、税務調査で指摘されそうな点がないかを確認し、リスクを未然に防ぎます。
- 節税チャンスの発見: 現在の税務処理に加えて、より効果的な節税方法や優遇税制の適用がないかを検討します。
- 経営判断の精度向上: 事業承継、M&A、組織再編など、複雑な税務問題に対する客観的な意見を得ることで、経営者がより自信を持って意思決定できるようになります。
2. 税務セカンドオピニオンを受ける3つのメリット
2-1. メリット①:税務リスクの回避と安心感の獲得
「自社の税務申告は本当にこれで正しいのか?」という不安は、多くの経営者が抱える共通の悩みです。セカンドオピニオンを利用することで、別の税理士が申告内容を検証し、潜在的なミスや見落としを指摘してくれます。これにより、税務調査のリスクを減らし、経営者は本業に集中するための安心感を得られます。
2-2. メリット②:節税チャンスの発見とキャッシュフロー改善
長年同じ顧問税理士に依頼している場合、マンネリ化から新しい節税策が提案されないケースもあります。新しい税理士の視点から決算書や経営状況を分析することで、これまで見過ごされていた経費や、適用できる優遇税制を発見できる可能性があります。これにより、企業のキャッシュフロー改善につながります。
2-3. メリット③:経営判断の精度向上
経営者は日々、事業の拡大や縮小、新たな投資など、重要な判断を迫られます。セカンドオピニオンでは、単なる税金の計算だけでなく、企業の成長戦略や事業承継までを見据えたアドバイスが期待できます。例えば、事業成長期では、優遇税制や補助金を絡めたM&A戦略、優遇税制と補助金・助成金を絡めた設備・人材投資などの計画と実行、事業承継期においては、種類株式の活用による株式承継の先行など、企業の持続的な利益創出を第一義に、現経営者だけではなく後継者なども納得ができる具体的な解決策を提示できます。
3. 税務セカンドオピニオンを受けるべき企業の特徴
3-1. 顧問税理士の専門分野が自社と合わないと感じる企業
現在の顧問税理士が建設業に強いものの、自社がIT企業であるなど、専門分野にギャップがあると感じる場合です。特殊な業種特有の税務や、最新のIT技術を活用した経理方法などについて、より専門的な意見を求めたいときにセカンドオピニオンは有効です。
3-2. 顧問税理士への不満や疑問がある企業
実際に、弊社がセカンドオピニオンを提供する際に、お客様からお聞かせいただく現専門家に対する不満は次のようなものがあります。
①能動的な提案がなく回答が的を射ない
②目指すべき急成長に歩調があわない
③過去のみを整理する専門家にすぎない
④企業の理念や戦略が理解してもらえない
⑤事務手続き以上の期待がもてない
⑥話は聞いてくれるが、具体的な提案がない
⑦事業承継の相談相手にならないこのような顧問税理士に対する不満や疑問がある場合、セカンドオピニオンを利用することで、別の視点から問題点を解決できる糸口が見つかるかもしれません。
3-3. 顧問税理士の意見にセカンドオピニオンを求めたい企業
事業承継やM&A、海外進出など、企業にとって大きな決断を迫られる局面では、複数の専門家の意見を聞くことが重要です。特に、現顧問税理士が相続税に知見がないなどの理由で対応を先送りしている場合など、センドオピニオンを依頼することで、具体的な解決策とスケジュールを提示してもらうことができます。
4. 税務セカンドオピニオンを依頼する際の注意点
4-1. 依頼前に準備すべき資料
セカンドオピニオンを依頼する際は、スムーズな相談のために以下の資料を準備しておきましょう。
- 直近2期の税務申告書や決算書(勘定科目内訳明細書を含む)一式
- 直近期の総勘定元帳データ(PDF又はCSV)
- 相談内容をまとめたメモ
これらの資料を事前に提供することで、あなたの状況を正確に把握し、より的確なアドバイスを提供できます。
5. 【事例紹介】セカンドオピニオンで変わった!成功企業のケーススタディ
ここでは、実際に当グループが手掛けたセカンドオピニオンの事例をご紹介します。
5-1. ケース1: しがらみのないセカンドオピニオンだからこそ
三代目が経営する老舗中小企業A社は、長年同じ経理担当者と顧問税理士に依頼していました。事業承継を機に、現行の経理業務の進め方や月次・年次決算および税務申告の在り方に疑問を抱き、テントゥーワングループにセカンドオピニオンを求めました。
テントゥーワングループに依頼した結果
テントゥーワングループには、過去のしがらみがないため、企業成長のための業績管理という視点から月次・年次決算の見直しを提言。さらに、経営戦略に資する税務申告への助言や、経理のデジタル化など、これまでの業務を抜本的に見直す具体的な提案を行いました。これにより、三代目経営者がタイムリーかつ的確に経営判断できる環境が整い、業務フローの可視化や業務承継も進みました。
5-2. ケース2:関連会社ごとに関与する専門家が異なる場合
「1社1事業」のコンセプトで複数の関連会社を営むB社グループでは、それぞれの法人ごとに異なる顧問税理士と契約していました。そのため、経営者は、グループ全体で見た場合の税負担や資金の非効率性に疑問を感じ、全体を俯瞰して共に考えてくれる専門家を探していました。
テントゥーワングループに依頼した結果
テントゥーワングループは、将来の事業承継も視野に入れ、経営の本質として複数の関連会社が必要か、組織再編で統廃合すべきかなどを議論しました。ホールディング体制のメリット・デメリットも示し、あるべき全体像を提示。その実現に向けた施策をスケジュール化し、その実行を伴走支援することで、グループ全体の非効率を解消しました。
5-3. ケース3: 自社株の対策と承継に懸念があるものの
事業承継期を迎えるC社では、自社株評価が高くなり、後継者の税負担に懸念がありました。現経営者の悩みは、どのタイミングで議決権を後継者に渡すべきかという点にもありました。また、現在の顧問税理士は相続税に知見がないため、自社株評価や具体的な対策を依頼しても対応が先送りされていました。
テントゥーワングループに依頼した結果
テントゥーワングループはまず、現経営者と後継者の面談を経て、両者が合意できる事業承継カレンダーを作成。自社株評価も実施し、現状を踏まえた打ち手を可視化しました。種類株式を導入することで、自社株の所有権と議決権を分離して整理し、自社株対策後の所有権移転を優先。カレンダー作成で終わらず、定期的なモニタリングと更新を通じて、納得性の高い事業承継の実現を継続的に支援しています。
6.税務セカンドオピニオンのご相談は当事務所まで
「経理の効率化を図りたい」「税務に関する不安を解消したい」とお考えの経営者様、ぜひご相談ください。
テントゥーワン経理代行サービスは、40年以上の実績の中で、顧客継続率99%超、税務調査の申告是認63.9%を誇る専門家集団として、お客様に寄り添ってきました。
<テントゥーワン経理代行の特徴>
①税理士・社労士・中小企業診断士・IT専門家などで構成する約50名のスタッフがチームで対応
②クラウド&オンライン体制による全国対応と、従来の採用・派遣に比べて低コストでスタートできる仕組みを実現し、精度とスピードを両立しながら、本業に集中できる環境を提供
③40年以上の実績をもち、顧客継続率99%超、税務調査の申告是認63.9%を達成
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