経理業務のクラウド化

目次

経理業務の現状と課題

中小企業における経理の負担

経理業務は企業運営の基盤を支える重要な役割を担いますが、中小企業ではその負担が大きいとされています。

たとえば、経済産業省の「中小企業白書2023」によると、

調査対象の約68%の企業が、経理業務の負担が経営全体の効率を阻害していると回答しています。

経理担当者が少人数である場合にはとくに、特定の従業員に経理業務が集中する属人化が課題として挙げられています。

実際にテントゥーワングループが、クラウド経理導入の提案に向かった某中小企業では、

経理業務が属人化したまま、突然その経理担当者が退職する問題に直面していました。

その経理担当者の退職後には、資金繰り管理もままならず、取引先への支払いや給与の支払い遅延も発生、

さらには税務申告も期限内に提出できない事態に陥っていたとのこと。

結果、テントゥーワングループでは、クラウド経理導入の支援に留まらず、経理代行サービスを提供しています。

このような事例は、経理業務の属人化がもたらす具体的なリスクを如実に示しているともいえます。

経理業務の属人化のリスク

経理業務の属人化は、業務効率の低下を招くだけではありません。

たとえば、先の例とは異なる某中小企業でも、経理担当者が突然退職。

過去の記帳データなどが退職した経理担当者の個人的なファイルに保存されており、

他の従業員がアクセスできない状況に陥っていました。

このため、請求書処理や給与支払いが大幅に遅れ、取引先や従業員からの信頼を損ねる事態に陥ったとのこと。

また、経理業務の属人化は、とくに記帳や経費精算など反復的な業務に関して多く見られます。

属人化した業務は、いわば誰も管理していない業務でもあり、業務の非効率性と無駄な負荷の温床ともなります。

本来のあるべき姿は、反復的な業務を効率化することで人的リソースに余剰を生み、

ここ余剰した人的リソースを、生産性の高い他の業務や経営戦略に直結する付加価値業務に投下すべきであるともいえます。

クラウド化による経理業務の効率化

クラウド型の経理システムのメリット

クラウド型の経理システムは、インターネットを介して、経理データを一元管理する仕組みを提供します。

この仕組みにより、経理担当者がオフィス外でも業務を行えるため、

リモートワークの環境構築や、災害時における業務継続も期待できます。

また、クラウド型の経理システムのバックアップ機能により、データ紛失のリスクが大幅に軽減されます。

さらに、ソフトウェアの更新が自動で行われるため、常に最新機能を活用できる利点もあります。

データ連携と自動化の仕組み

クラウド型の経理システムには、銀行口座や会計ソフト、請求書発行ツールとのデータ連携機能が標準搭載されており、

取引データが自動取得できます。

たとえば、銀行明細を自動で取り込むことで、入出金の手動記録が不要になり、業務時間を大幅に削減できます。

また、AIを活用した自動入力や仕訳提案機能により、入力ミスが減少し、経理データの正確性も向上します。

これら仕組みや利点によって、経理担当者は手作業から解放され、

データ確認業務に集中できることから、その業務効率がさらに向上します。

クラウド型の経理システムの活用で期待できる時短効果

自動入力による業務時間の短縮

経理業務の中でも、とくに時間を要するのが、伝票入力や請求書処理です。

クラウド型の経理システムを導入すると、AIが経費データや取引履歴を自動で認識・入力します。

そのため、経理担当者や管理職者は、データを確認・承認するだけで済むようになります。

たとえば経費精算業務において、領収書をスキャンするだけで金額や日付、取引先が自動で入力される機能を活用すれば、

従来の手入力が不要となります。

結果として、煩雑な業務に割いていた時間を戦略的な業務に転用できるようになり、企業全体の生産性向上も期待できます。

リアルタイム更新による円滑な情報共有

クラウド型の経理システムでは、入力されたデータがリアルタイムでシステム全体に更新されるため、

経営者や他部門の従業員が、常に最新情報を閲覧できます。

たとえば、月次の損益データや支払予定リストを瞬時に確認できる環境が整い、部門間の情報共有もスムーズになります。

さらには、支出抑制や資金繰り最適化に向けた意思決定も迅速に行えます。

クラウド化の成功事例

具体的な導入事例と成果

某中小企業では、従来、紙ベースの伝票処理に1日以上を要していましたが、

クラウド型の経理システムを導入した結果、処理時間がわずか数時間に短縮できました。

この中小企業では、AIを活用した自動仕訳機能により、手入力によるミスが激減、正確性が格段に向上しました。

また、クラウド型の経理システムのリアルタイム更新機能を活用することで、

随時、管理職者が最新の経費状況を確認できるようになり、予算管理が飛躍的に効率化できました。

この結果、経理担当者における日次業務の負担が軽減され、

その軽減された負担に相当する業務時間を、戦略的なコスト分析や業務改善に注力できる環境が整いました。

経済産業省の調査データを活用した分析

経済産業省の調査によれば、

クラウドシステムを導入した中小企業の約80%が「業務効率化を実感した」と回答しています。

その具体的な効果として、

「人的ミスが約40%減少した」「年間で10%以上のコスト削減を達成した」などの成果が挙げられます。

また、調査対象企業の多くが、クラウドシステムの導入をきっかけに、経理業務全体の見直しを行い、

より効率的な業務フローを確立することができたとも報告されています。

このように、クラウド化は単なる効率化にとどまらず、企業の成長基盤を強化する重要な役割を果たしています。

今後の経理業務の効率化に向けて

クラウド化の導入ステップ

①現状の課題を洗い出す

クラウドシステムの導入を成功させるためには、まず現行の経理業務のフローを詳細に分析し、

どの部分に非効率が生じているのかを明確にする必要があります。

たとえば、請求書処理に手間がかかっている、手入力によるミスが多いなど、

具体的な課題をリストアップすることで、クラウドシステムの導入で解決すべき課題に優先順位をつけることができます。

②適切なクラウドシステムを選定する

洗い出した課題に基づき、自社の規模や業種に合ったクラウドシステムを選定します。

複数のクラウドシステムを比較検討し、

自動入力やAI仕訳機能、他ツールとの連携性などの機能が自社の課題解決に適しているかを確認します。

また、初期コストやランニングコストも考慮して、コストパフォーマンスの高いクラウドシステムを選ぶことも重要です。

③導入後の運用フローを構築する

クラウドシステムを選定したら、導入後の運用計画を立てます。

クラウドシステムの操作研修を実施し、

経理に関連する担当者に必要なスキルを習得させることで、スムーズな導入を図ります。

また、バックアップ体制やトラブル時の対応プロセスについても、事前に構築しておくと安心です。

継続的な改善とリスク管理

クラウドシステムの導入は一度きりのプロジェクトではありません。

クラウドシステムの運用を開始した後も、業務環境の変化や新しい課題に対して、

定期的な見直しと改善を行うことが重要です。

たとえば、クラウドシステムが最新の法令改正に対応しているかを確認し、

必要に応じてアップデートを行います。

また、運用データを分析してボトルネックを特定し、さらなる効率化を図ることも重要です。

「マネーフォワードクラウド検定」の合格者が多数在籍するテントゥーワングループでは、

クラウドシステム導入後も、その最適な運用を継続的にサポートします。

さらに、テントゥーワングループには税理士や社会保険労務士など多彩かつ豊富な専門家が在籍しており、

最新の法令に則った経理業務の効率化とリスク管理を強化するためのアドバイスも提供しています。

クラウド化による経理業務の効率化は、中小企業の成長と競争力向上に欠かせない要素のひとつです。

クラウドシステムのご相談は、まずテントゥーワングループまで。

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