中小企業向け税制と補助金ガイド

中小企業経営強化税制とは

中小企業経営強化税制は、特定経営力向上設備等を取得する企業に対して、税制優遇を提供する制度です。

この税制を利用することで、設備投資にともなう負担を軽減しながら、売上成長や生産性向上を目指すことができます。

令和7年度税制改正では、中小企業経営強化税制の特別償却や税額控除が拡充され、さらに対象設備が追加されます。

具体的には、年平均投資利益率が7%以上を見込む設備や、

売上高100億円超及び年平均10%以上の企業成長を目指す投資計画に基づく設備が対象となります。

この改正によって、企業成長を目指すより多くの中小企業が税制優遇を受けられる可能性が広がります。

令和7年度税制改正の概要

特別償却および税額控除の改正点

新たに追加された設備に対して、以下のような税制優遇が設けられており、

特別償却によるのか、税額控除によるのか、を一定の条件のもとに選択することができます。

①特別償却:取得価額の最大100%を償却可能(建物及び附属設備は最大償却率25%)

②税額控除:取得価額の最大10%を控除可能(建物及び附属設備は最大控除率2%)

建物及び附属設備については、給与支給額の増加率に応じて特別償却率や税額控除率が変動する仕組みが導入されています。

給与増加率が5%以上の場合には最高の特別償却率や税額控除率が適用される一方、

2.5%未満では特例の適用外となるため、企業には計画的な賃上げの実施が求められます。

この仕組みは、企業の成長と従業員の待遇改善を両立させるための政策意図が反映されたものです。

より具体的に、建物および附属設備の特別償却率および税額控除率は、次のとおり給与増加割合に応じて異なります。

・給与増加割合5%以上:特別償却率25%または税額控除率2%

・給与増加割合2.5%以上:特別償却率15%または税額控除率1%

・給与増加割合2.5%未満の場合、建物および附属設備は特別償却・税額控除の対象外

新たに対象となる設備要件

改正により、対象となる設備の範囲が拡充されます。具体的には以下のとおりです。

・建物および附属設備:

新設または増設される建物で、取得価額が1,000万円以上のもの

・省力化設備:

生産性向上や省エネ効果をもたらす設備で、機械装置の場合には1台または1基の取得価額が160万円以上のもの、

工具・器具備品の場合には1台または1基の取得価額が30万円以上のもの

・ソフトウェア:

取得価額が70万円以上の業務効率化や生産性向上を目的としたもの

計画認定後2年以内に取得予定の設備の合計取得価額が

「1億円」または「基準事業年度の売上高の5%相当額」のいずれか高い金額以上であることも条件であり、

対象となる設備取得価額の合計は最大60億円までとされます。

税制優遇を受けるための条件と注意点

これらの設備投資が経済産業大臣の認定を受けることを条件としています。

認定を受けるためには、基準事業年度(経営力向上計画の認定申請を行う事業年度の直前の事業年度)における売上高が

10億円超90億円未満であることのほか、以下のような具体的な計画が必要となります。

・売上高向上の計画:基準事業年度の売上高を上回る成長目標の明示

・投資利益率:年平均7%以上を見込む投資計画

・給与増額計画:従業員の給与支給額が増加する具体的な施策

基準事業年度の売上高が10億円超の中小企業が、売上高100億円超を目指すための事業基盤、財務基盤及び組織基盤を整え、

売上高100億円超及び年平均10%以上の売上高成長率を目指す投資計画を、

詳細なロードマップとして策定して認定を受けることで税制優遇を享受できます。

なお、経済産業大臣の確認を受けた投資計画期間においては、次の特例が制限されることや、

医療保健業や発電事業で取得した設備(主に電気の販売を目的とするもの)は対象外となることにも注意が必要です。

・中小企業投資促進税制

・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例

令和6年度補正予算の中小企業向け補助金施策

生産性向上支援の拡充

中小企業庁が推進する補助金施策には、「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」があります。

これらは中小企業の設備投資を支援し、事業成長を後押しする重要なツールです。

たとえば、「ものづくり補助金」では、生産性を大幅に向上させる最新の機械装置や設備の導入が対象となり、

補助率が従来よりも引き上げられます。

また、導入条件の緩和が進み、幅広い企業が利用できるように整備されます。

「IT導入補助金」に関しては、セキュリティ強化や業務効率化を目的としたシステム導入に対して、

補助上限額が大幅に増額されました。

とくに、中小企業がサイバーセキュリティ対策を導入する場合には優遇が受けられます。

新事業進出補助金と成長加速化補助金、大規模成長投資補助金

「新事業進出補助金」と「成長加速化補助金」、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」は、

成長を目指す中小企業にとって強力な支援策です。

「新事業進出補助金」は、新たな事業分野への進出を計画する企業を対象としており、

建物費用、設備導入費用、システム構築費用といった多岐にわたる経費を補助します。

これにより、新規事業を立ち上げる際の資金負担が大幅に軽減されます。

一方、「成長加速化補助金」は、売上高100億円超を目指す中小企業を対象に、設備投資だけでなく、

人材育成や海外展開、M&Aなど成長に必要な多面的な活動も支援の対象としています。

この補助金では、とくに成長率10%以上を見込む事業計画に対して高い補助率が適用されるため、

意欲的な投資を検討する企業にとって魅力的な制度となっています。

さらに、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」では、

賃金引き上げを前提とした省力化投資や生産設備の大規模更新に対する補助が行われ、

省力化や自動化設備の導入費用、大規模改修、新規製造ラインの設置などが対象となります。

優遇税制と補助金を組み合わせた成長戦略の事例

ある製造業の中小企業が、生産性向上を目的として最新の自動化設備を導入したケースを考えます。

この企業は、まず「ものづくり補助金」を活用し、設備購入費用の50%を補助金でカバーしました。

この補助金は、事前に作成した生産効率向上の具体的な計画書が審査で評価されたことで採択されました。

さらに、補助金で賄えなかった残りの費用については、「中小企業経営強化税制」を利用しました。

この税制を活用することで、設備取得費用のうち10%を税額控除することで税負担を軽減できました。

これらの制度を組み合わせた結果、総投資額の約60%を補助金と税制優遇で補填することができました。

この取り組みによって設備投資にかかる資金負担を大幅に軽減しただけでなく、

導入した設備により生産効率が向上し、それが直接的に売上増加にもつながりました。

また、製造コストが削減されたことで、収益性の向上も実現しました。

このような成功事例は、事前の計画作成と制度の適切な活用が成長を加速する鍵であることを示しています。

テントゥーワングループが提供する支援サービス

専門家による申請支援

税理士や社会保険労務士だけではなく、中小企業診断士や司法書士、行政書士、不動産鑑定士、

そしてシステムエンジニアも在籍するテントゥーワングループでは、

常に最新情報に基づく補助金制度や税制優遇の利用にもシームレスに対応しています。

これにより、煩雑な手続きをスムーズに進め、企業の成長戦略を加速させます。

クラウド型経理システム導入のメリット

テントゥーワングループでは、中小企業向けにAI活用を支援するソリューションとして、

クラウド型経理システムを活用したサービスを提供しています。このシステムを導入することで、

経理業務の効率化やリスク軽減が図れ、税制優遇の条件を満たすためのデータ管理も容易となります。

成長を加速させるためのリスクテイクとリスクヘッジ

設備投資や新事業展開など、企業成長のためにリスクテイクする場合には、

そのリスクをいかに低減させるかが重要であり、補助金制度や税制優遇を最大限に活用することが、

リスク低減のために必要な打ち手のひとつになるといえます。

テントゥーワングループでは、最新の税制だけではなく、経済産業省や厚生労働省などが公表する最新の情報をもとに、

中小企業の課題を解決するための最適なソリューションを提供しています。

仮に、ここまでにご案内するような補助金制度や税制優遇の存在を考慮せず、

その結果として企業成長につながるチャンスを逸することは、大きな機会損失であるともいえます。

企業のあるべき未来の姿や、そのために必要となる投資の在り方、これから選択しようとする経営判断を、

ぜひテントゥーワングループにお聞かせください。

テントゥーワングループに在勤する多彩な専門家が、

リスクテイクとリスクヘッジを共存させる「企業成長のあるべき」を共創します。

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